阪高湾岸線の展望施設を断念 兵庫県と神戸市、コロナ禍で財政難 <2021/2/25 05:30神戸新聞NEXT>を編集
神戸市臨海部に建設中の大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)西伸部で計画されていた海上展望施設について、兵庫県と神戸市が、国や阪神高速道路に計画中止を申し入れ、了承されていたことが2021/02/24分かった。兵庫県と神戸市の要望を受けて計画が進められ、事業費40~50億円(試算値)は県市で負担することになっていたが、新型コロナウイルス禍で財政の見通しが立たず断念した。兵庫県によると、今後、代替施設を検討する予定はないという。
展望施設は「神戸の港と山が一望できる新たなランドマークを」と、兵庫県と神戸市が、西伸部の工事を担う国土交通省や阪神高速に提案し、2019年に整備案が策定されていた。
整備案では、神戸・ポートアイランド西側に架かる予定の海上約30mの道路橋の一角に、全長約400mの展望施設を建設。ポーアイの一般道からエレベーターで上がり、景色を見渡せる造りが想定されていた。
2020年秋に設計に入る予定だったが、コロナ禍が直撃。財政への影響を懸念した神戸市が兵庫県に中止を持ち掛けた。兵庫県は当初難色を示したが、最終的に承諾。2020/12に国や阪神高速に申し出て、受け入れられたという。
神戸市は「道路と一体構造のため、後になって計画を中止にすると、本体工事に影響が出る。コロナの影響がいつまで続くか不透明な中、早期に判断する必要があった」と説明。兵庫県は「神戸市ができないといっている以上、残念だがやむを得ない」としている。
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阪高高架5m下げに賛否 神戸・ポーアイ内の新設計画 <2020/7/3 15:00神戸新聞NEXT>を編集
大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)西伸部の神戸・ポートアイランドでの建設計画を巡り、国土交通省、阪神高速道路、神戸市が高架道路の高さを当初よりも約5m下げる案を検討している。「(北側に)六甲山や海が見える眺望を遮らないで」という住民らの声を踏まえたが、沿線の2大学は「校舎の真横を高速が走る」と困惑。眺望と学習環境をどう両立させるか、悩ましい事態となっている。
西伸部を巡っては、2009/03の都市計画決定でルートが決まり、2016年度に事業化された。具体的な設計に向けて、国、阪神高速、神戸市が地元住民の代表らと協議を重ねながら、環境対策も含めた最終計画の策定を目指している。
住民らが特に求めるのが、北側の景観を極力阻害しないようにする、高架の高さの低減だ。ポーアイからは六甲山や市街地、一定の高さからは神戸港も望めることから、「神戸らしい景観の良さでポーアイに住むことを選ぶ人も多い」(地元住民)という。
神戸市などが再検討した結果、付近にあるポートライナーの関連施設の高さを下げるなどし、当初案では約19mだった道路の高さを約14mまで下げられると判断。2019/11に新たな案が住民らに示された。
これに対し、沿線にポートアイランドキャンパスを構える神戸学院大学と、兵庫医療大学の2大学が懸念を示す。
両大学が現在地に移転したのは、都市計画決定後。西伸部建設を見据えて校舎を配置したが、「ここまで接近して整備されるとは思っていなかった。実験の授業もあり、騒音などの悪影響が出かねない」(大学関係者)と危惧する。
さらに2大学が「想定外」と戸惑うのが、西伸部の整備に伴い、高速道路下の道路(現在4車線)に近くの臨港道路を付け替え、6車線に拡幅する方針を示していることだ。
神戸学院大学の担当者は「臨港道路は大型トレーラーの通行が多い。学生だけでなく、グラウンドを使う地域の子どももおり、安全面や排ガスなどの環境面への影響が不安だ」と話す。
大学側は神戸市などに計画案の再考を求めており、神戸市建設局は「協議内容は大学の担当者にその都度説明してきたが、認識の違いがあったようだ。丁寧に話し合い、双方に納得してもらえる計画案を考えたい」としている。
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大阪湾岸道路の西伸部 展望施設はポーアイ西を要望 <2019/10/01 05:00 神戸新聞NEXT>を編集
2018/12に着工された大阪湾岸道路(阪神高速5号湾岸線)西伸部について、兵庫県と神戸市が道路整備に合わせて設置を求めている展望施設の要望案が固まった。神戸・ポートアイランド西側、地上30m以上の道路橋に設置する計画で、兵庫県と神戸市は「神戸港と六甲山を見渡せる新たなランドマークになる」と集客効果を強調。国も前向きな姿勢を見せており、具体化に向けて検討を始めている。
2019/09/30に県庁であった「阪神湾岸地域高速道路網整備促進県議会議員連盟」の総会で兵庫県が示した。
西伸部は六甲アイランド北(神戸市東灘区)と駒栄(神戸市長田区)を結ぶ14.5kmの区間で、総事業費は約5000億円。2018/12に着工され、完成に10年程度かかると見込まれている。
兵庫県と神戸市はこの道路沿いに展望施設を設けることを構想。ポートアイランドに架ける道路橋の東西いずれかを候補地としていたが、「ポートタワーや観覧車、花火など神戸の代表的なスポットが見渡せる」との理由で西側を選んだ。
要望案によると、施設の全長は約400m。高速道路から乗り入れするのではなく、岸壁にエレベーターを設置して、橋の高さ(地上30m以上)まで移動する。そこから、道路を囲むようにして3mほどの通路を設け、360度見渡せるようにする。岸壁のエレベーター周辺には飲食店や駐車場なども設けて集客を図る。
費用は、明石海峡大橋の展望施設「舞子プロムナード」(神戸市垂水区)を参考に、約40億~50億円と試算。兵庫県と神戸市が全額負担する意向で、国も前向きな姿勢を示しており、現在進めている全体道路の詳細設計に盛り込む方向で調整中という。
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阪神高速5号湾岸線西伸部:大阪湾岸道路の西伸部着工 神戸・長田で安全祈願祭 <2019/03/16 11:57神戸新聞NEXT>を編集
大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)西伸部の最初の着工区間となる神戸市長田区の駒栄工区で2019/03/16、安全祈願祭が執り行われた。
(略)
安全祈願祭には、工事関係者や地元の自治会長ら約55人が出席。地鎮の儀に続き、阪神高速道路株式会社神戸建設部長の金治英貞が「ようやく本格的な工事のスタートとなり、地元の協力を得ながら、細心の注意で進めていきたい」とあいさつした。
阪神高速道路株式会社発注の駒栄工区は、神戸山手線との接続部でトンネルを開削し、工期は2023/06までの予定。
この日は、建設現場体験のイベントもあり、神戸山手線開通時に埋めたタイムカプセルが開封され、当時の小学生が未来の自分に宛てた手紙を手にして、着工を祝った。
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阪神高速5号湾岸線西伸部:神戸港最長、新大橋の姿は? 全長3km、検討大詰め <2018/08/29 14:30 神戸新聞NEXT>を編集
国と阪神高速道路が計画を進める大阪湾岸道路西伸部で、神戸港の入口に架かる長大橋の形状を巡る検討が大詰めを迎えている。クルーズ客船が通るポートアイランド東側の橋は2本合わせて約3kmと、神戸市最大級の構造物になる予定。工費や強度などを考えれば、斜張橋か吊り橋が有力とされるみなと神戸の「ゲートブリッジ」。検討過程の最前線を取材した。
東京のレインボーブリッジ(橋長798m)、横浜ベイブリッジ(橋長860m)。各地の港には、街の顔となる橋が架かる。湾岸線西伸部(14.5km)は、六甲アイランドからポートアイランド、ポートアイランドから神戸市兵庫区までの神戸港の計3つの航路をまたぐ自動車専用道路。兵庫県の都市計画決定時の参考図にあるのは3つの長大橋だ。
国と阪神高速道路によると、要となるのは、六甲アイランドとポートアイランドを結ぶ 新港・灘浜橋(仮称)。航路ごとに2本の橋でつなぐとしても、長い方は主塔間が500~600mと明石海峡大橋を除けば神戸最長となり、下をくぐるクルーズ船などの安全のため、橋桁下の海面からの高さは最低65.7m必要とされる。2016年に初入港したアジア最大級の「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(高さ62.9m)など世界最大クラスの客船も航行可能だ。
最もシンプルな桁橋は、経済的な面も加味すると長さ150m程度が限界。神戸大橋のようなアーチ橋は建設部材のコストがかさみ現実的ではない。国や阪神高速道路が選択基準と考える、(1)災害に強い、(2)維持管理がしやすい、(3)街のシンボルとなるの3点に、工費や工期も検討すると、斜張橋か吊り橋の2択となりそうだ。仮に斜張橋となっても、ケーブルの張り方や主塔の形などいくつものパターンがある。
橋は車道のみ片側3車線の計6車線になる見込み。兵庫県が橋のたもとに提案している展望施設の検討はこれから。色に制約はなく「神戸にふさわしい色を探る」としている。
湾岸線西伸部は2018年内に着工し、総事業費約5000億円、完成まで10年程度かかるとされる。阪神高速の神戸建設部長 金治英貞は「陸から見ても海から見ても、神戸を象徴する景観となる美しい橋を造りたい」と話す。
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阪高湾岸線の西伸、年内着工へ 六アイ北~駒栄 <2018/07/03 06:40 神戸新聞NEXT>を編集
国土交通省は2018/07/02、阪神高速湾岸線西伸部について年内に着工する方針を明らかにした。東京都内で開かれた阪神間の湾岸エリアなど高速道路の早期整備を求める国会議員連盟の総会で、国土交通政務官の高橋克法が報告した。
阪神高速湾岸線西伸部は、阪神高速神戸線の慢性的な渋滞を緩和するため、兵庫県や神戸市などが早期整備を求め、2016年に六甲アイランド北(神戸市東灘区)~駒栄(神戸市長田区)間14.5kmの事業化が決定した。総事業費は約5000億円、完成までに10年程度かかるとされる。
高橋は総会で、六甲アイランド内の工事の入札に関する情報を先月末に公表したことを報告し、「年内の着工に向けて手続きを進める」と述べた。阪神高速道路株式会社社長の幸和範は駒栄地区のトンネル工事着手への手続きを進めていることを明らかにした。
総会には兵庫県関係国会議員のほか、兵庫県知事 井戸敏三、西宮市長 石井登志郎、神戸市副市長 岡口憲義ら約100人が出席。名神湾岸連絡線の詳細ルート検討、神戸西バイパスの自動車専用道路部と一般道路部の同時開通等を求める要望書が兵庫県、神戸市の議員連盟から国交省幹部らに手渡された。
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