2008/07/30に東京臨海高速鉄道りんかい線 国際展示場駅で起きた重大インシデントについて、運輸安全委員会は2010/02/26に調査報告書を発表した。
このインシデントの概要は以下の通り。
1.国際展示場駅を出発した電車(JR東日本205系電車)が、発車直後に運転台の戸閉表示灯が消灯し、非常停車。
2.停止後、旅客用乗降扉を確認したところ進行方向左側(ホームとは反対側)の全ての扉が開いていた。
3.車掌が車掌スイッチを数回操作したが、扉はスイッチを押している間しか閉まらず、手を離すと開くという状態であった。
4.運転士側車掌スイッチの操作を運転士が試みたところ、スイッチから手を離しても扉が閉じたままの状態となった。
5.旅客の転落等がなかったことを確認し、国際展示場駅を約12分遅れで発車した。
6.新木場駅まで運転されたあと回送となり、八潮車両基地に入庫した。
7.列車には乗客約500名が乗車していたが、旅客用乗降扉が開いたことによる乗客の転落はなかった。
報告書では、原因として、車掌スイッチを調べたところ、スイッチ内部の部品に油枯れや錆が発見され、これが原因でホームとは反対側の左側ドアが開いたものとした。
対策として、東京臨海高速鉄道がマニュアルでドア開扉の原因が特定出来ない場合は運休か回送とすることとしたこと。JR東日本がこの車掌スイッチと同形の車掌スイッチについて、内部接点の転換状況の一斉点検を実施するし、従前のスイッチを使用しているものについては、緊急的に改良型スイッチに交換し、その後、接点部がリードスイッチであるスイッチに交換したこと。を挙げている。
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