JR西日本社長が陳謝 ATS作動トラブル未公表で <神戸新聞 2010/10/28>を添削
JR宝塚線(福知山線)脱線事故現場の発生現場付近で2010/10/14、快速電車が速度超過して自動列車停止装置(ATS)が作動したトラブルで、JR西日本社長の佐々木隆之(64)は2010/10/28、問題を公表しなかったことを「適切でなかった」と謝罪した。
会見で佐々木は、トラブルのあった翌日の2010/10/15朝に報告を受けたが、「直接的に安全に影響を与える事象でないと判断した」と説明。公表するよう指示しなかったといい、「大変迂闊だった。違う判断をすべきだったと反省している」と述べた。
また、脱線事故現場での速度超過については「事故から学ぶ原点の場所。緊張感を持つことが必要だった」とした。
今後は被害者の心情を踏まえ、脱線事故現場周辺で発生したトラブルに加え、事故後に安全対策のため設置した装置に問題が起きた場合も公表する考えを示した。
(中略)
JR西日本はこれまで公表しなかった理由を「運転士自ら報告しており、公表することで社員を萎縮させる」などと説明していた。
~~~~
JR宝塚線脱線現場で速度超過、ATS作動で緊急停車 JR西日本公表せず <asahi.com 2010/10/27>を添削
JR宝塚線(福知山線)脱線事故現場のカーブに、2010/10/14、快速電車が制限速度を超過して進入し、自動列車停止装置(ATS)が作動して、非常停止していたことがわかった。事故後、現場に設置したATSが速度超過で作動して電車が非常停止したのは初めて。JR西日本は非常停止について朝日放送(大阪市)が2010/10/27に報じるまで公表しなかった。
JR西日本は公表しなかった理由について「事故につながる具体的な危険性はないと判断した。公表すれば現場が萎縮し、報告を妨げることにもなる」としている。
JR西日本によると、非常停止したのは、快速電車(宝塚発同志社前行き、7両編成、乗客約350人)。2010/10/14 17:10頃、現場付近を走行中、事故現場のカーブの手前105mの地点でATSが作動。時速60km以下で進入しなければならないカーブに時速69kmで入り、160m走行して止まった。この電車は6分後に運転を再開した。
# 他社報道によると、この時点で運転士は運転指令に報告。運転指令の指示で運転を再開。
ATSが作動した地点は、制限時速95kmの区間で、電車は時速85kmで走行していたが、その先のカーブに制限時速以下で進入するためには、時速82km未満で通過しなければならず、ATSはそれ以上だと非常ブレーキがかかるように設定されていた。# では、その地点の制限速度は時速80kmに設定しなければならないのでは?
JR西日本によると、男性運転士(23)はATSが作動するのとほぼ同時に通常ブレーキをかけていたが、十分に速度が落ちていなかった。運転士は2006年に入社し、2010/05に運転士になった。運転士はJR西日本の聞き取りに対し、「ぼおっとしていてブレーキ操作が遅れた」と話している。
2005/04の事故当時は、現場カーブの制限時速は70kmだったが、事故車両は時速116kmで進入し脱線した。当時、ATSは現場に設置されていなかったが、事故後、国が設置を義務づけた。
JR西日本によると、JR西日本管内でATSが作動し、列車が非常停止する例は年間100件を超えるという。
JR西日本には明確な公表基準はないが、人的物的被害が出た事故や、事故につながる具体的な危険性があった事態については公表し、オーバーランなどは非公表としている。JR西日本はこうした運用について「社員から会社への積極的な報告を促すため」と説明している。
PR