広島西飛行場:市営化存続困難に 広島市議会予算特別委、関連予算・条例認めず <毎日新聞 2011/03/09>を添削
広島市議会予算特別委員会は2011/03/08、2011年度一般会計当初予算案から、広島県営広島西飛行場(広島市西区)の市営化関連事業費1億3000万円を削除した修正案を賛成多数で可決した。広島西飛行場を広島シティ空港として市営化する設置条例案は賛成少数で否決した。2011/03/09の本会議での採決でも、判断は変わらない見通しだ。今期限りで退任する広島市長の秋葉忠利が2010/12に表明した市営化は、困難な情勢になっている。
広島県知事の湯崎英彦は広島市議会が関連議案を否決した場合、広島県が提案したヘリポート化に向けた作業に着手する考えを既に示しており、この日の記者会見でも「ヘリポート化するのであれば、早急に着手しないと間に合わないと再三言ってきた。市議会が否決するということは、それを踏まえてのことだと思う」と語った。
市営化には、広島県が飛行場の廃止条例を、広島市は設置条例を設ける必要があり、広島県議会は2011/03/08の本会議で廃止条例案を可決した。廃止条例が効力を持つためには市営化が前提で、当面は広島県の所有となる。広島県は飛行場を横切って建設される広島南道路を2012年秋に着工予定で、調査設計を2011年度初めに始めたい意向。湯崎は2011/03/08の会見で「広島市の新市長が判断したら市議会が可決すると言っているわけではない」と語り、新市長の判断を待つのは難しいとの認識を示した。
修正案はひろしま政和クラブ、自民新政クラブ、新保守クラブ、公明党の4会派の代表が共同で提出した。削除するのは市営化する場合の整備計画策定費で、維持管理費は除いた。提案理由を「市民や議会への説明が不十分で議論が尽くされていない」などとし、次期市長に判断を委ねるよう求めた。委員長と議長を除いた53人で採決を取り、修正案には34人が賛成した。設置条例案への賛成は18人にとどまった。
秋葉は2月議会の答弁で「6月議会に判断を先延ばしにしても、条例、関連予算が認められなければ、主体的な(航空会社への)誘致活動や具体的な検討ができない」などと語り、議会側に判断を求めていた。
また修正案では、旧広島市民球場跡地(広島市中区)についても「議論が不十分」として、球場施設の解体事業費だけ認め、緑地・広場整備の事業費約3億4000万円を削除した。
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