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JR石勝線トンネル内特急火災事故:緊迫感、指令に届かず 「火災は目視」の手順災い <毎日新聞 2011/05/31>
占冠村のJR石勝線トンネル内で起きた特急列車の脱線・火災事故で、JR北海道の指令センター(札幌市)が車外避難を申し出た車掌に車内にとどまるよう指示し、乗客の避難開始後も「客を先頭車両に誘導したか」などと実態とかけ離れた確認を求めていたことが2011/05/30、JR北海道への取材で分かった。JR北海道の手順書では、乗務員が火を目視しないと火災と扱わないことになっており、これが災いして、指令に避難の緊急性が伝わらなかったとみられる。
JR北海道によると、男性運転士(26)は特急「スーパーおおぞら14号」(6両編成)がトンネルで急停止した直後の2011/05/27 22時に「(後列の)1~3号車床下から煙が入ってきている」と指令に報告。指令は22:03に「ただちに乗客を4~6号車に案内するように」と指示した。
煙が増える中、男性車掌(60)は22:07に「先頭車側から降りてトンネルを避難したほうがいい」と指令に提案。しかし指令は「トンネル内なので、ドアを開けるのを待つように」と認めなかった。
22:10には車掌が「かなりの煙で息ができない」と窮状を訴えたが、指令は先頭車両への避難指示を出すだけだった。車掌がトンネル出口確認のためいったん車外に出た20:11過ぎからは十数分間、交信が途絶。携帯電話や衛星携帯電話が通じなかったことも実態把握を困難にした。
通信が再開した22:30には、たまたま客として乗り合わせ、事故後に乗務員を補助していたJR北海道の社員に指令が「前側車両への乗客の誘導が終わったか確認してほしい」と連絡。既に乗客は自主的に列車を降り始めており、ようやく状況を把握した指令は22:34ごろ、下車した乗客の誘導を認めた。
指令が実態把握できなかった背景には、運転士と車掌が最後まで火災だとの認識を持っていなかったことも影響したとみられる。運転席のモニターには火災を知らせるランプがあるが、JR北海道のマニュアル「異常時運転取扱手順書」では、乗務員が実際に火を目視した場合に火災として扱うと定めている。運転士は立ち込める煙で炎を確認できないまま、避難していた。
JR北海道広報部は「火災の扱いも含め、現場判断の枠を拡充することや手順書の見直しを検討したい」と話す。当時、モニターに火災ランプが付いていたかどうかは「調査中」としている。
一方、北海道警は線路やトンネルの現場検証を2011/05/30までに終えた。今後は事故車両を車庫に搬送後に現場検証とともに、乗客や乗員への事情聴取を進める。
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JR石勝線トンネル内特急火災事故:部品脱落でポイント変形タンク損傷か <MSN産経 2011/05/30 13:29>を添削
北海道占冠村のJR石勝線トンネルで起きた特急スーパーおおぞら14号(6両編成)の脱線火災事故で、前から4両目床下の推進軸が落下、線路のポイントをひずませ、さらに6両目の燃料タンクに衝突してタンクが損傷、火災につながった可能性があることが2011/05/30、JR北海道や消防関係者の話で分かった。
JR北海道などによると、推進軸の周辺部品の散乱が始まったのは、トンネルの入口手前約1.4km。その500mル先にあるポイントでは、フロントロッドと呼ばれる部品が線路上にせり上がるように変形していた。推進軸はエンジンの回転を車輪に伝える部分で、一部の部品が落下した状態で回転を続け、フロントロッドに当たってひずませた可能性がある。フロントロッドがせり上がったポイントを通過した際に、6両目床下の燃料タンクが損傷して燃料が漏れ、何らかの理由で引火したことも考えられるという。
JR石勝線トンネル内特急火災事故:4両目もいったん脱線していた <毎日新聞 2011/05/31 21:13>を添削
北海道占冠村のJR石勝線トンネル内で特急列車(6両編成)が脱線炎上し、39人が負傷した事故で、JR北海道は2011/05/31、列車5両目のほか、推進軸などの部品が落下した4両目の車両もいったん脱線していたことを明らかにした。最終的に脱線していた5両目の脱線痕はトンネルの約40m手前だが、実際は約900mにわたり脱線走行していたことになり、横転事故などにつながる可能性もあった。
JR北海道によると、列車はトンネル約1.8km手前で最初に4両目の減速機つりピン(長さ19cm)が脱落。さらに推進軸の一部を次々と落としながらトンネル手前793m地点から脱線した。列車はそのまま721m走行。2本のレールが交わるポイント部分でレールに乗り上げて元に戻った。
つりピンは減速機と車体を固定する部品で、外れると減速機からつながる推進軸が破損する恐れが高まる。1994/05にJR室蘭線で特急列車の推進軸が脱落した事故でも、原因はつりピンの脱落だったという。
また、5両目は4両目がレールに戻ってから約40m進んだ地点で脱線した。付近に減速機の歯車が落ちていたため、車輪が歯車に乗り上げたとみられる。
JR北海道によると、列車は時速140kmで走行していた場合、急ブレーキをかけると600m以内に止まるよう設計されている。当時の列車の速度は約120km。運転士がブレーキをかけた地点ははっきりしていないが、JR北海道は「4両目が脱線した直後に異常に気付いて急ブレーキをかけていれば、トンネル手前で止まった可能性もある」としている。
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JR石勝線トンネル内特急火災事故:発煙、脱線後に 40人搬送 枕木に車輪の跡 <毎日新聞 2011/05/28>を添削
北海道占冠村のJR石勝線トンネルで特急「スーパーおおぞら14号」(釧路発札幌行き、6両編成)が煙が出て緊急停止した事故で、後列車両の車輪が脱線していたことが2011/05/28、JR北海道の調査で分かった。トンネル入口の手前から事故現場まで枕木に車輪がこすれたとみられる跡が残っており、JR北海道は、車輪脱線後にトンネルに入り、発煙した可能性があるとみて調べている。
JR北海道によると、煙が充満したのは後方の1~3号車で、乗客らは非常用ドアコックを開けて車外に脱出した。北海道警が2011/05/28未明に車内を確認したところ、逃げ遅れた人はいなかった。トンネル入口では事故後も白煙が上がり続け、富良野広域連合消防本部によると約9時間半後の2011/05/28 07:30過ぎに煙は収まった。
JR北海道が車両を調べたところ、後ろから2両目(2号車)の後方の車輪が脱線しているのが見つかった。現場ではトンネル入口の約600m手前のポイント切替え付近からレール中央の枕木に車輪がこすれたとみられる跡が残っていた。国土交通省運輸安全委員会は2011/05/28、鉄道事故調査官3人を現地に派遣した。
現場は占冠村役場から南西約8kmの山中。乗客のうち約200人はトンネル出口からバスで占冠村の施設に移動した後、JR北海道の用意した貸切バスで札幌や釧路などに向かった。
富良野広域連合消防本部によると、この事故で救急搬送されたのは計40人に上った。
◇「自分で逃げた」車掌10分不在
煙が迫り来る暗闇の中、手をつなぎ励まし合って辛くも大惨事を逃れた。「地獄のようだった」「生きた心地がしなかった」。乗客らは黒くすすけた顔で口々に恐怖の一夜を語り「避難誘導がなかった」とJR北海道の対応に不満を訴えた。
乗客らによると列車は「ドンドン」などと異音がした直後にトンネル内で急停車した。「そのまま待機して下さい」。車内アナウンスが入ったが、後列の1~3号車内に煙が立ち込め始めた。「1~3号車の人は4~6号車に移って下さい」。この指示を最後にアナウンスは途切れた。「どうなっているんだ」「避難するぞ」。乗客らは自ら非常用ドアコックを開けて車外に出た。
札幌市白石区の男性会社員(62):「煙が入らないよう口を手で押さえ、前に進んだ。」「最初に飛び出した人がいなければ危なかった」。
釧路市の男性会社員(51):「JRから避難誘導はなく、自分で逃げなければ死んでいた」と青ざめた表情だった。
札幌市の男性会社員(28):「煙が立ち込めたので外に出ようとしたら乗務員に『待ってくれ』と言われたが、誰かがドアを開けて自主的に逃げ出した」「煙で何も見えない中、励まし合って出口を目指した。」「妻の顔が目に浮かんだ。二度とJRには乗りたくない」と語った。
せき込みながらトンネルを出ると、乗客から安堵の声が漏れた。「生きてて良かった」。高齢者の中には涙を流す人もいたという。200人以上が近くの草地に座り込み、山を下り始めたのは約3時間後の2011/05/28 01時ごろだった。
札幌市白石区の男性会社員(40):「みんな冷静だった。ただJRはトンネルには誘導灯を設置するなど対策を取ってほしい」と話した。
3号車に乗っていた男性車掌(60)は緊急停止後、乗客に「出口までどのくらいかかるか見てくる」と告げて車外に出て出口まで走り、約10分後に戻って避難を呼び掛けたという。だが同じ車両に乗った男性は「車掌が外に出たので不安になった」と述べた。
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JR石勝線トンネル内特急火災事故:特急スーパーおおぞら、トンネル外に <北海道新聞 2011/05/29 15:57>を添削
占冠村のJR石勝線の特急の脱線火災事故で、JR北海道は2011/05/29、トンネル内で動かなくなった特急スーパーおおぞら14号(6両編成)をトンネルの外に運び出した。
捜査関係者によると、一番後ろの車両の燃料タンク付近の燃え方が激しく、火元とみて事故原因の特定を急いでいる。
JR北海道は2011/05/28深夜から車両の移動作業を始めていたが、難航した。2011/05/27夜、トンネル内で起きた火災で、6両とも全焼していた。
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JR石勝線トンネル内特急火災事故:特急から部品脱落 脱線の原因か <北海道新聞 2011/05/28 22:23>を添削
占冠村のJR石勝線・第1ニニウトンネル付近で2011/05/27夜、特急「スーパーおおぞら14号」(釧路発札幌行き、6両編成)が脱線して全焼し、39人が軽傷を負った事故で、JR北海道は2011/05/28、札幌市内の本社で記者会見し、列車が脱線した地点から約630m手前の線路上で、床下の駆動装置の部品が落下していたことを明らかにした。JR北海道は部品の脱落が脱線の原因となった可能性があるとみている。北海道警は車両の点検整備に問題が無かったかなど事故原因を調べる。
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JR石勝線トンネル内特急火災事故:搬送者40人。振り子式車両が脱線か <MSN産経 2011/05/28 11:45>を添削
北海道占冠村のJR石勝線トンネル内で発生した特急電車火災で、地元の消防は2011/05/28、救急搬送された乗客は計40人にのぼったことを明らかにした。また、JR北海道関係者によると、後ろから2両目の車輪の一部が脱線していたことが判明。トンネルに入る前から脱線によるとみられる跡が線路上に残っていたという。火災は2011/05/28 07:30頃鎮火した。
火災が発生したスーパーおおぞら14号はディーゼル特急。脱線した車両は1998年製で、カーブを高速で走行できる振り子式と呼ばれる特殊な台車を使用。
国土交通省運輸安全委員会は、鉄道事故調査官3人を現地に派遣、北海道警富良野警察署も事故原因を調べている。
国土交通省北海道運輸局は2011/05/28午前、JR北海道に厳重警告の文書を出した。
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JR石勝線トンネル内特急火災事故:携帯電話のライト頼りに避難 乗客ら証言 <MSN産経 2011/05/28 09:48>を添削
「車外に出ないでください」とのアナウンスが流れる中、次第に煙が立ち込め、乗客は前の車両へと殺到した。JR北海道石勝線で2011/05/27夜に起きたトンネル内の車両火災。乗客が現場の状況を振り返った。
札幌市の公務員の男性(45)は、「最後尾の車両に乗っていた」「車両の下でバチバチと部品を引きずるような音がして、物に乗り上げるような感触があった。直後に窓の外で火柱が一瞬上がった」と話した。
釧路市の介護士の女性(20)は、他の乗客に従い車両からトンネルに飛び降りた。「真っ白な煙が充満していて何も見えなかった」。姿勢を低くし、携帯電話のライトで足元を照らす。乗客は「ここが出口だ」と互いに声を掛け合った。
釧路市の会社員の男性(27)は「足元をとられ転んだ乗客や、せき込んでいる人もいた」と話した。
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JR石勝線トンネル内特急火災事故:搬送者は35人 女性1人重症 <MSN産経 2011/05/28 08:39>を添削
北海道占冠村のJR石勝線占冠~新夕張のトンネル内で2011/05/27夜、特急スーパーおおぞら14号(釧路発札幌行き、6両編成)から白煙が出た事故で、病院に搬送された乗客は計35人にのぼった。消防などによると、煙を吸ったり、やけどをしたりし、女性1人は重症という。全員命に別条はない。乗客ら約240人は徒歩でトンネルの外に避難し、逃げ遅れた乗客はいないという。
JR北海道によると、列車が止まったのはトンネルの真ん中付近。線路の状態などから脱線した可能性もあるとしている。北海道警富良野警察署が原因を調べている。
避難した乗客はバスで占冠村内の施設に移送された。トンネルの出口からは2011/05/28朝になっても大量の白煙が立ち上り、警察官や消防隊員らが、走り回っていた。
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JR石勝線トンネル内特急火災事故:特急列車車内から白煙 約15人搬送約240人避難 <MSN産経 2011/05/28 01:51>を添削
2011/05/27 21:55頃、JR石勝線 占冠~新夕張のトンネル内(北海道占冠村)で、特急スーパーおおぞら14号(釧路発札幌行き、6両編成)の1~3号車の車内から白い煙が出たため、現場で停車した。富良野消防署占冠支署によると、煙を吸ったとみられる乗客約15人が、病院に救急搬送された。残りの乗客約240人はトンネルの外まで徒歩で避難した。
JR北海道によると、トンネル内は煙が充満しており、現地にバスを出して乗客を移送。富良野警察署が原因を調べている。
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