食用油で「出発進行」 北条鉄道が営業運転 <神戸新聞 2010/10/16>を添削
北条鉄道と加西市が2010/10/16、使用済み食用油を精製したバイオディーゼル燃料(BDF)だけで動く列車の営業運転を始めた。BDF100%での営業運転は全国で初めて。この日は北条町駅(加西市)~粟生駅(小野市)の13.6kmを6往復。今後、週末を中心に運行する。
北条鉄道は加西市などが出資する第3セクター。BDFの費用は、鉄道が通常利用する免税軽油より約3割高くなるが、環境に優しい鉄道として観光客を取り込み、収入増につなげたい考えだ。
加西市は飲食店や家庭から天ぷらなどに使った油を集め、年間約10万リットルのBDFを精製。加速力や燃費、CO2排出量とも軽油とほぼ同じだが、黒煙の量は1/3程度になる。
営業運転は、北条鉄道まつりの開幕に合わせてスタート。BDF100%の客車1両に、軽油で動く1両を連結させ運行。のどかな田園風景の中を駆け抜けた。
(後略)
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燃料は廃油100% 列車試運転へ 加西市と北条鉄道 <神戸新聞 2008/06/06>を添削
家庭の天ぷら油などからバイオディーゼル燃料(BDF)を精製する事業に取り組む加西市と北条鉄道は、2008/06/29、BDF100%の燃料による列車の試験運行に挑戦する。
国土交通省によると、国内のディーゼル車では初の試み。成功すれば、イベント列車の検討も始め、CO2の排出削減と環境保全に貢献する鉄道として全国にPRする。
温室効果ガス削減に関する協定を締結した日本サムスン(東京)から寄付を受け、鉄道敷地内に廃油からBDFを精製する施設を2008/04にオープン。石油販売のマルタ産業(姫路市)が運営し、家庭やレストランから回収した廃油を原料に1カ月で約2000L精製する。
北条町駅(加西市)から粟生駅(小野市)まで約13.6kmの1往復に必要なBDFは軽油と同じ約10Lで、平均的な家庭35世帯が1カ月に出す廃油から精製できる量。軽油の場合、往復で約26kmのCO2が発生。BDFは、発生するCO2を原料である植物が再び吸収・固定し大気中のCO2の総量は増えないと考えられている。また、有害な硫黄酸化物の発生も軽油に比べて抑えられる。
試験走行には、旧型車両のフラワ1985型を使用し、通常ダイヤ終了後の午前0時から5時まで走行させる。燃費を測定するほか、運行によってエンジンなど機器にトラブルが起きないかを調べる。
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