「燕京」8月で航路廃止 神戸‐天津結ぶ国際フェリー <神戸新聞 2012/09/02 08:15>を編集
友好都市の神戸と中国・天津を結ぶ国際フェリー「燕京(えんきょう)」(定員399人)が2012/07に突然休航し、そのまま2012/08下旬で航路を廃止したことが、2012/09/01分かった。
天津と日本をつなぐ唯一のフェリーだったが、収益の柱となる天津からの貨物が減り、採算が悪化していた。友好都市の提携40周年を来年2013年に控え、神戸市は「お祝いムードが盛り上がる矢先に…」と落胆している。
燕京は1990/03、官民挙げた友好都市記念プロジェクトとして就航。中国の合弁会社が週1往復運航し、神戸~天津を50~60時間で結んでいた。だが2012/07/02、日本側の総代理店チャイナエクスプレスライン(CEL、神戸市中央区)から、取引先に「2012/07/03に神戸を出発する便をもって、当面休航する」と突然通知があった。出港後に一斉メールで知らされた業者もあり、港湾管理者の神戸市も出港当日に知ったという。運航会社は結局、2012/08/20に「収益改善を見込めない」と廃止を決定。現在、船は天津に係留されている。22年間で2265回航海を重ねた。
チャイナエクスプレスラインによると、年間の乗客数は1万人程度で推移し、売上げの8割は貨物が占めていた。だが近年は燃料費が高騰。中国の物流ルートの変化などで天津から日本への輸出品は減り続け、東日本大震災が追い打ちをかけた。2011/07からは山東省にも寄港して集荷拡大を図ったが、採算が回復できなかったという。
廃止の知らせに、神戸市みなと総局の担当者は「貴重な航路を失い、神戸港の大きな損失」と肩を落とす。来年に向け、さまざまな記念行事を計画する神戸市国際交流推進部も「阪神淡路大震災や鳥インフルエンザ流行を乗り越え、日中友好のシンボルだった。非常に残念」と意気消沈気味だ。
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燕京号運行終了のお知らせ(チャイナエクプレスライン) <2012/08/21>
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