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<戦略を語る>阪急阪神ホールディングス社長 角和夫氏 <神戸新聞 2008/12/29>を添削

 阪急阪神グループは、西日本最大の商業施設「阪急西宮ガーデンズ」を西宮市の阪急西宮球場跡で11月に開業させるなど、積極的な投資が目立つ。阪急阪神ホールディングス社長で阪急電鉄社長でもある角和夫氏(59)は「不況期であっても、まちづくりへの投資は粛々と進める」と話す。

〜11月に開業したガーデンズの手応えは。
 順調だ。初年度の年間来場者数は2000万人、売上高は600億円との計画だったが、大きく上回るペースだ。直結する西宮北口駅の乗降客数も、前年同期の1.5〜1.7倍に増えた。
 ポイントカード会員も順調に獲得できた。初年度で10万人、最終的に20万人を計画していたが、既に15万人に。居住地別でみると西宮がもっとも多く、約60%を占める。西宮の全約20万世帯中、40%超に当たる8万6000世帯が会員になっており、商圏にマッチした店づくりができた結果とみている。基本商圏は半径10kmだが、姫路に200人、明石に400人、茨木や高槻にも400人ずつ会員はいる。

〜阪急西宮北口駅と、隣の武庫之荘駅の間に新駅を求める声が根強い。
 (指摘される場所は)もともと新駅をつくれるように設計してある。西宮北口の周辺には(ガーデンズなどの)商業施設、フィットネス、学校、病院がある。駅を中心に都市の機能がコンパクトに集まっている。車から鉄道へのモーダルシフトを進めるためにも、当社が新駅建設で一定の負担をするのは、やぶさかではない。

〜神戸市営地下鉄への乗り入れや、神戸・三宮の阪急会館の整備は。
 三宮の交通結節点をどう考えていくか中長期的な検討が必要だ。地下鉄への乗入れの話は進んでいない。阪急会館の建替えも、今やってしまうとペンシルビルになってしまい、長期的な街づくりという観点からするとよくない。

〜六甲山事業は。
 定期的なイベントが何かできるようになればいいと思っている。(阪急・阪神の統合で閉鎖した)六甲オリエンタルホテルの跡地は、会員制ホテルにするのが一番いいが、不特定多数の人が入れるホテルということで国立公園内への設置を許可された経緯があり、実現は難しい。いい使い道が見つかるまで待てばいいと思っている。

〜神戸高速鉄道は値下げが期待されているが。
 2009/03に神戸市から株式を譲ってもらうことを目標に協議しており、運営形態などの協議はこれから。効率運営で浮いた資金を、安全投資と運賃低減に振り向けていこうと考えており、具体策を協議中だ。

<阪急阪神ホールディングス>
 阪急電鉄、阪神電気鉄道、阪急阪神交通社ホールディングス、阪急阪神ホテルズの4社を中核会社とする持ち株会社。2008/03期の連結売上高は7523億円。阪神電鉄では、2009/03に近鉄との乗入れが控える。

<角和夫(すみ・かずお)氏>
 早稲田大学政治経済学部卒業後、1973年に阪急電鉄に入社。鉄道畑が長く、2000年取締役鉄道事業本部長、2003年社長、2006年阪急阪神ホールディングス社長。趣味は囲碁で、アマ6段の腕前。宝塚市出身。
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