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住民の悲願実現へ 神戸 東灘 森北町7でバス実験運行 <神戸新聞 2012/09/25 09:15>を編集
#甲南女子大、甲南女子高のさらに山側の地区。市境だから道が整備されておらず、市バスも無視する地区。

 長らく公共交通の空白地帯だった神戸市東灘区北東部の森北町7丁目地区とJR甲南山手駅前を結ぶバスの実験運行が、2012/07から始まっている。急な坂道が続く森北町7丁目地区では、バス運行は約40年前からの悲願だった。今回、主婦らの誘致運動にバス事業者が応じ、社会実験がスタート。利用者の評判は上々で、本格運行への期待が高まっている。

 森北町7丁目地区は芦屋市に接する高台にあり、人口は1000人弱。急な坂道と階段が多く、「出掛ける時はヒールと運動靴の2足を用意していた」と住民の女性は振り返る。子どもが小中学校へ通うのに1時間以上かかり、交通事故の心配も絶えなかった。
 バス運行を求める声は宅地開発された約40年前からあったが、道路が狭いため大型バスが通れず、かなわなかった。しかし、高齢化が進み、車を運転できず家に閉じこもりがちになる人が増えるなど問題が深刻化。平坦な土地に引っ越す人も出てきたが、転居先の環境になじめず、孤立する人が多いという。

 「今困っている人たちの姿は、将来の私たちそのもの」。2009年、地区の女性5人が中心となり、バス路線誘致へ動きだした。住民らは神戸市から 住吉台くるくるバス(JR住吉駅~住吉台地区)の運行実績がある みなと観光バス を紹介され、意見交換会や説明会を実施。

 住民アンケートの結果を踏まえ、2012/07下旬から3カ月間、森北町7丁目地区とJR甲南山手駅前を結ぶルートで実験運行することが決まった。マイクロバスで1日24往復し、運賃は大人200円。利用者は1日平均200人超で、高い利用率。マイカー利用からバスに切り替わったことで、「地区内の車の通行量が減った」との声もある。
 本格運行には14人乗り車両の認可が必要になるなど課題も多いが、みなと観光バス社長の松本浩之は「何より大切なのは、住民たちが自らの足を自ら守る仕組みづくり」と指摘する。実際、住吉台くるくるバスでは、住民が「守る会」を結成して利用促進に取り組み、当初の予測を上回る利用があるという。中心となった女性は「路線を守る気持ちを地域に芽生えさせ、バスをコミュニティーのつながりを深める存在にしたい」と話している。
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