東海道新幹線の停電、原因は同相エアセクション停止 <Response 2017/07/13 18:46>を編集
2017/06/21に発生した東海道新幹線の停電トラブルについてJR東海は2017/07/13、停電は架線と車両の集電装置(パンタグラフ)が不完全接触したことで架線が切れたためと発表した。
トラブルは2017/06/21に発生。19:37『のぞみ241号』が新大阪駅への入線待ちのため東海道新幹線 京都~新大阪(大阪府高槻市)で停車。11分後の19:48、山陽新幹線の区間を含む京都~新神戸で瞬時停電が発生した。さらに19:53と20:08に同じ区間で停電が発生し、運転を見合わせた。
職員が現地を確認したところ、架線を構成する電線のうち、パンタグラフと接する部分の電線(トロリ線)が切れているのを発見。復旧作業は深夜の0:47に完了し、7分後の0:54に運転を再開した。これにより東海道・山陽新幹線の乗客約5万1000人が影響を受け、下り12本の列車が一部区間で運休。上下計63本の列車が約3~6時間遅れた。
JR東海によると、『のぞみ241号』がエアセクションで停車。エアセクションでは2つのトロリ線が並んでおり、12号車のパンタグラフが片側のトロリ線と不完全接触となる範囲(2m程度)で停止した。この地点で『のぞみ241号』が11分間停車し続けた他、大雨の影響で『のぞみ241号』の前方に多数の列車が存在していたことから流れる電流も大きく、これによりトロリ線が熱くなって断線したという。
エアセクションは、架線に流れる電気を区分する場所。在来線の場合、異なる変電所の境界点に設けられ、セクション内では2つの変電所から伸びる架線が2本並ぶ。ここで列車が停車すると、パンタグラフによって2本の架線が短絡し、発熱して断線に至る場合がある。
このため、原則としてエアセクション内では停車してはならない。2015/08には、JR東日本の根岸線で列車がエアセクション内で停車。架線が溶けて停電した。2015/11にもJR西日本のJR神戸線で同様のトラブルが発生している。
一方、新幹線のエアセクションは、列車通過時にセクション前後の架線が同じ電源になる「同相エアセクション」。JR東海は「同一電源であり、一列車あたりの電流も小さいことから、アーク放電を起こしにくく、発生した場合であっても、トロリ線断線には至らない程度であると想定していました」としている。
JR東海は今回のトラブルを受け、同相エアセクションに停止回避区間を示す標識を新設するとしている。標識の設置は2017/08上旬に完了する予定。
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新幹線停電トラブル 不完全接触が原因で架線断線 <2017/07/13 12:34 神戸新聞NEXT>を編集
大阪府高槻市の東海道新幹線で2017/06/21、架線が切れて京都~新神戸で送電できなくなり、運行が約5時間ストップしたトラブルで、JR東海は2017/07/13、2本の架線(トロリー線)が並行する区間(エアセクション)で列車が停車した際、パンタグラフと不完全に接触していた架線で熱や放電が発生し、架線が切れたと発表した。JR東海はエアセクションを避けて停車するよう運転士に指示する標識の設置など、2017/08上旬までに対策を終えるという。
JR東海によると、停電は19:48、19:53、20:08の計3回あり、1回目に切れた架線が車体上部に接触して発生したと説明。架線が切れたのは、パンタグラフと接触不良だった架線に電流が流れ続け、600℃以上の熱や放電が生じたためという。
JR東海は、当時は大雨でダイヤが乱れ、2本の架線が並行する区間に列車が約11分間停車したこと、近隣の上下線に計12編成の列車が在線していたことなどが同時に起きたことで発生した「ごく稀な現象」とした。
トラブルの影響で、JR東海は12本が部分運休し63本が遅延、JR西日本は17本が運休し81本が遅延、延べ約8.9万人に影響が出た。
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