神戸地下鉄と阪急乗り入れ 新神戸、長田駅など候補 <2017/11/24 06:00 神戸新聞NEXT>を編集
神戸市営地下鉄西神・山手線(新神戸~西神中央)と阪急神戸線(梅田~神戸三宮)の相互直通構想で、神戸市と阪急電鉄が接続地点として三宮駅に加え、新神戸駅や長田駅なども候補として検討していることが2017/11/23、関係者への取材で分かった。
本年度から両者の幹部級で本格協議を始め、神戸市長の久元喜造が2017/10の神戸市長選で相互直通の検討を公約に掲げ再選し、協議加速の機運が高まった。両者は年度内にも、実現可能な2~3案に絞り込む。
両線の接続ルートについて、阪急側はこれまで「王子公園駅の西側から地下に潜って三宮駅でつなぐ」案を公表してきたが、両者はその他にもさまざまな案を検討している。
有力案の一つとして、阪急王子公園駅と地下鉄新神戸駅の間を地下で結ぶ案が検討されている。阪急の乗客が新幹線を利用しやすくなる他、新神戸駅一帯の賑わいづくりにつながる。また、市道の地下にトンネルを掘るため用地を確保しやすい上、三宮に比べて地下空間が広く取れるという。
一方、三宮の西側では、地下鉄の長田駅や板宿駅が候補に挙がる。既にある神戸高速線を利用するので工事費が抑えられるほか、神戸市が再開発に注力する新長田地区の活性化も期待できるという。西側を接続地点とした場合、阪急に加えて阪神電車とも相互直通が可能になる利点がある半面、阪神電気鉄道、神戸高速鉄道、山陽電気鉄道とも協議が必要になる。
阪急電鉄社長の杉山健博は2017/11/14の記者会見で「(神戸市と)スピード感を持って協議していくことになる」と述べた。神戸市長の久元も2017/11/20の会見で「(阪急電鉄との)協議のスピードをアップしたい」と応じた。
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神戸地下鉄と阪急乗り入れ 1000億円超の費用課題 <2017/11/24 06:00 神戸新聞NEXT>を編集
阪急神戸線と神戸市営地下鉄西神・山手線の相互直通は、阪急側が長年唱え続けた悲願ともいえる構想で、人口の維持・増加に力を入れる神戸市と思惑が重なったため、協議が一気に加速している。ただ、最低でも1000億円に上ると見込まれる事業費など乗り越えなければならない課題は多く、実現までの道のりは平坦ではない。
相互直通構想が浮上したのは2004年にさかのぼる。近畿圏の交通の在り方を審議する近畿地方交通審議会に、既存施設の改良を検討すべき事業として阪急が提案し、近畿運輸局長への答申に盛り込まれたのがきっかけだ。阪急にとっては地下鉄の乗客を取り込めるほか、神戸三宮駅を地下化することで地上を有効活用できることが利点とされる。しかし、神戸市側はまちの中心である三宮が通過駅になることを懸念し、話し合いに応じてこなかった。
転機となったのは2013年、久元喜造の神戸市長就任だ。従来の神戸市の姿勢に「あまりにも後ろ向きではないか」と疑問を投げ掛ける久元は、相互直通によってまちのにぎわいが増した他都市の事例は多いとして「沿線への定住を促進することで沿線各駅に人を呼び込める大きな可能性がある」との考えを示した。
2014年度から実務者レベルで勉強会を開き、市内交通網の在り方や旅客動向の変動予測、まちづくりへの影響、接続のための技術・工事上の課題の検証などに取り組んでいる。
最大のネックは、どの接続案でも1000億円は下回らないという巨額の事業費とその財源だ。神戸市側は急行運転による時間短縮など利便性向上の効果が、費用に見合うのかを検証する一方、阪急も乗客増加や再開発によって投資を回収できるのかを精査している。
また三宮のターミナル機能低下についても、駅前の商業施設からは「乗り換えがあってこそ商業は成立する」と懸念の声が上がる。久元は2017/11/20の会見で「(相互直通による)懸念があることを踏まえながら、ターミナル機能が低下しないようにどうするかを検討しなければならない」と、本格的な検討を進める意向を示した。
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